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「コーンフレーク漫才」をもブランディングに活用。優れたブランド戦略を展開する老舗企業

「おかんが好きな朝ごはんがあるらしいんやけどその名前を忘れたらしい」
「一緒に考えるからどんな特徴言ってたか、教えてみて」
「甘くてカリカリしてて牛乳とかかけて食べるやつやって言うねんな」
「その特徴は完全にコーンフレークやな」
と、漫才コンビ・ミルクボーイのネタになっている『コーンフレーク』。
皆さんは、コーンフレークと聞いて思い浮かぶのはどのブランドでしょうか?
ブランド名でなくても、パッケージやキャラクターなどでも構いません。

コーンフレーク=ケロッグ

「ケロッグ」を思いついた方が多いでしょう。漫才のネタにも登場する“腕組みをしたトラ”のイラストが浮かんだ方もいると思います。

アメリカに本社を置くケロッグ社(Kellogg’s)は、1906年に設立されたバトルクリークトーストコーンフレーク社が前身の、100年以上続く老舗企業です。1922年にケロッグ社と改称し、日本法人である日本ケロッグは1962年に設立されました。

宇宙飛行士の食事に採用され、認知・人気が一気に広がる

ケロッグは、栄養バランスの取れた気軽に食べられるコーンフレークやコーンフロスティ(腕組みしたトラは、フロスティのキャラクターで、名前はトニー)などで、朝食のスタイルを大きく変革した企業です。
1969年、アポロ11号による月探索の際、宇宙飛行士の朝食としてケロッグ社の商品が提供されました。これにより、「栄養バランスの良い朝食」としてのブランド確立・認知向上が図られました。

その当時、誰もがあこがれた宇宙飛行。とりわけ子供たちは、宇宙飛行士になりたい!という夢を抱きます。その宇宙飛行士がケロッグのシリアルを食べていると知れば、近所のスーパーで売られているコーンフレークを食べたいと思うのは、子どもの心理としてはごく自然と言えるでしょう。

「子ども」を消費行動の発案者にする

ケロッグは、古くから消費者の行動(商品購入意思決定)に基づいたマーケティング戦略に優れており、ターゲットごとにさまざまなブランディング施策を展開し続けています。

昔から子ども向けに展開しているブランドプロモーションのひとつとして、アイキャッチとなるトラやサルなどのキャラクターを設けていることが挙げられます。日本においては、人気の子供向けアニメやヒーローもののテレビ番組のスポンサーとなってCMを放映し、子どもへの意識付けを行っていました。

商品パッケージには、含まれる複数の栄養素のバランス表を載せており、子どもにねだられて購入する保護者に対しても十分なエビデンスを確認できるようにしています。
例えば、スーパーなどで親子が買い物している際に、ケロッグのパッケージに描かれたキャラクターに子どもが気づき、「コーンフレークを買って!」と言い出します。
親はパッケージを手に取り、裏に掲載されている栄養バランスの表を見て「これなら安心して食べさせられる」と判断して購入します。
親は朝食の準備が楽になり、子どもは美味しく、栄養バランスよく食べられるため、次回以降も購入が続きやすくなります。
消費者の行動をしっかりと把握した、典型的な販売戦略のパターンと言えるでしょう。

また、他の親との会話の中で朝食の話題になったときに、「ケロッグのコーンフレークにしてから子どもが朝食を喜んで食べるようになった」「栄養のバランスも取れているし、準備がラク」といった“クチコミ”によってブランド認知が広がります。

苦境時にこそ広告費を増やす攻めのマーケティングを実践

ケロッグは、消費者行動を把握した古典的なマーケティングターゲット戦略を徹底して実施しており、商品ブランドごとのブランディングを成功させている企業のひとつです。

1929年~30年代に世界恐慌が起こった際、多くの企業が広告費を取りやめ広告費の削減を行う中、ケロッグは予算を増やして広告を打ち続け、新製品開発も積極的に行いました。その結果、恐慌中も利益を出し続け、シリアル業界でのトップシェアを100年にわたって維持しています。

「アンバサダー」による発信を活用し、健康食メーカーとしてのブランディングに成功

近年では、単に朝食という概念に留まらず、「健康食」「美容食」としてのブランディングにも注力しています。特に美容と健康を気にする女性を中心に好まれている「オールブラン」は、腸内環境を改善する機能性表示食品でもあります。

ケロッグの日本法人である日本ケロッグは、2015年より「オールブランアンバサダープログラム」を展開しています。
コンシューマー向けのブランド確立の上で大きな威力を発揮するSNSによる「クチコミ」効果を利用。食や健康に対する意識が高いオールブラン愛好家(愛食家)たちが、オールブランを食べることで体験した健康や美容の価値を、SNSを通じて“無報酬”で発信・拡散しています。

腸内環境を整えることが健康にいいことは、昨今では広く認知されています。ケロッグのオールブランは、なんと1916年にアメリカで発売を開始。その歴史は100年以上。日本の市場においても、シェアや認知度で長年にわたってトップであり、十分なブランディングができていると思えます。しかし、その立場に甘んじることなく、さらなるブランド戦略を展開し続けています。

多くの消費者の共感を得て、ブランドを成長させ続けるケロッグ

日本ケロッグでは、2021年もTwitterを利用した誰でも気軽に参加できる「腸能力UPチャレンジキャンペーン」を展開。腸内細菌研究の第一人者を監修につけたWebコンテンツを展開し、手軽に栄養補給ができて健康を手に入れられる食品としての認知を広げ続け、ファンの囲い込みを実践しています。

ケロッグのような老舗企業、認知度が高い企業でさえ、絶え間なくブランド力を高める努力を続けています。それだけブランディングは奥深く、顧客や時代を敏感に察知した戦略が求められていると言えるでしょう。

ちなみに、冒頭に紹介したミルクボーイは、M-1優勝後ほどなくしてケロッグ公式応援サポーターに任命されました。そうした柔軟性や“シャレがわかる会社”であることも、歴史がある企業でありながら新しいこと、おもしろいことに関わる企業として、幅広い層に支持されることにつながっています。
ミルクボーイ=コーンフレーク=ケロッグという発想が多くの人の中で意識付けられ、テレビなどに出演しているミルクボーイを見ただけで、無意識にケロッグがイメージされるという効果をもたらしているのです。

私たちジェイスリーでは、クライアント企業や自治体の皆さまの潜在的な価値を見いだし、成長するブランディングを継続してサポートすることを実践しています。
多くの事例がありますので、ぜひご覧ください。

コピーライター・プランナー 津留 靖

販促系広告制作会社でコピーライターとしてキャリアをスタート。BtoB商材を中心にカタログやSPツールの企画制作に従事。その後フリーランスとして独立し、約16年活動。その間、宣伝会議主催のWebライター養成講座の講師も担当。2019年よりジェイスリーに合流し、海運、観光、製造、商社、建設など多岐にわたる業種で、プランニング・コピーライティングおよびディレクション業務に携わり、わかりやすく伝わる文章制作を実践。整形外科分野(特に腰・膝・足首)の知見も持つ。熊本県出身。

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