作ってみたけど効果がない・・・ グローバルサイトに よく見られる失敗パターン

人口減少や経済成長の鈍さによる国内市場の伸びしろの少なさと競争の激化から、海外に新たな市場や需要を求めてグローバル展開に取り組んでいる企業が増えています。一方で、現地法人の設立や人材の確保、マーケティングや市場開拓は一朝一夕でできるものではなく、かつ大きなリスクを伴うため、グローバル展開において何から取り組んで良いか悩まれている方も多いと思います。
そんな中で、海外からの反応を探るべくグローバルサイト(海外向けWEBサイト)の見直しを検討されている企業が増えてきています。リスクも比較的少なく、取り組みやすいことが理由のようですが、安易に考えると大きな落とし穴が待っていることをご存知でしょうか。
ここでは、グローバルサイトの見直しの観点やポイントをご紹介したいと思います。
「日本語サイトのついで」にグローバルサイトを作っていませんか?
既にグローバルサイトを運営されている方も多いと思いますが、見直しを検討されている多くの理由は概ね以下のような課題を持っていらっしゃいます。
- ・日本語サイトを翻訳しただけで、外国人にきちんと伝っているか分からない。
・「外国人」というターゲットを分解できておらず、ペルソナが描けていない。
・情報を載せているだけで、営業のシナリオが描けておらず、クロージングの仕組みがない。
・日本語サイトの一部をダイジェストで載せているが、本当はもっと活用したい。
なぜこういった状況に陥っているのでしょうか? その理由は、グローバルサイトを作った当初に「日本語サイトのついで」のような意識があったためと思われます。
[よくある失敗例]
①日本語サイトを単純に直訳したケース
国内の企業サイトを単純に直訳して他言語サイトを作ったために、海外の顧客の需要や感性が日本と異なる点に配慮が不足し、本来の情報を適切に伝えることができない。結果、信用性が低下し、問い合わせや売上につながらない。
②国内で売れているという理由だけで、海外展開したケース
海外で馴染みがあるのか、知名度があるのかを確認しないまま、国内で有名だからという理由で多言語サイト構築をしてしまったために、検索需要がなく、集客ができない状況に陥ってしまう。
まずは現状のグローバルサイトの問題点が何か、細かく把握しましょう
グローバルサイトを見直す場合、ネイティブの観点で内容が適切に伝わっているか調査・検証して問題点を把握し、改めてターゲット像を明確にすることが重要です。ポイントは、日本人ではなくターゲットとなる国や地域の言語のネイティブが調査・検証することにあります。また、とりあえず作り直すことに取り掛かる前に、調査・検証をすることには以下のような大きなメリットがあります。
- ・気付いていなかった目下のリスクや問題を見える化。大幅な刷新の前に当面の応急処置も考えられる。
・これまでにグローバルサイトに要したコストと品質のギャップに気付き、次の一手を考えることができる。
・分析結果は、グローバルサイト以外の営業ツール・コーポレートツールの見直しにも役立つ。
「あるべきグローバルサイト」を4週間で明確化
グローバルサイトの問題を把握するための調査・検証は、提供している情報(コンテンツ)の品質、どこからどれだけ閲覧されているかを知るアクセス状況、グローバルサイトとして必要な基本構造になっているか、の3つに分けることができます。この観点に絞ることで、概ね4週間程度で現状を把握することができます。ちなみに、ジェイスリーではこれらを以下のように実施しています。
・コンテンツ診断
外国人ネイティブが現サイト全体に対して、伝わりにくい表現や適切でない表現が無いか検証。全体的な評価と見直すべき具体例をレポートします。
・アクセス診断
流入元や回遊性、滞在時間など、ターゲットが意図した通りにWEBサイトへアクセスしているか、コンテンツが機能しているか検証します。
・構造診断
ドメイン、タグ、構造などグローバルサイトとして最低限のSEO対策ができているか確認。現況の整理と対策すべきポイントを整理します。
ノウハウが無く、なかなか見直しに取り掛かれない方や、どのように刷新して良いか悩まれている方は、まず「問題の見える化」に取り組んでみてはいかがでしょうか。ジェイスリーではグローバルサイト構築のそれ自体を目的とせず、課題抽出と戦略立案・計画の着手段階から伴走可能ですので、課題感を感じていらっしゃる方はぜひご相談ください。
大学卒業後、システム・エンジニアの職に就いたのち、2006年にジェイスリーに入社。ディレクターとして、WEBサイトやコーポレートツールなどの企画・設計から、取材、ライティングまで幅広い業務に携わる。これまでの担当クライアントも観光、保険、商社、交通、住宅、ホテル、IT、機械、飲食など多岐にわたる。また、JNTOなど自治体・企業のインバウンドコンテンツやプロモーションの実績も多数。現在は、事業部のマネージメントを行いつつ、企業のブランディングを主体としたコンサルティングを行っている。島根県出身。
この記事に関連するサービスはこちら
お気軽にお問い合わせください
お電話でのお問い合わせ
10:00-18:00(土日・祝日・年末年始を除く)