ECサイトにブランディングが必要な理由や進め方を解説

商品やサービスを販売するECサイトを簡単に作ることができるようになって数年。世の中に存在するECサイトは100万件を超えています。ECサイトをこれから始める方、もしくは既に運用されている方にとって、単に商品をネット上に陳列するだけでなく、いかに競合他社と差別化を図り、顧客を囲い込むことができるかが最重要課題となっています。

今回は、そのための策として「ブランディング+ECサイト」の考え方をご紹介します。

ECサイトにおけるブランディングとは?

ブランディングとは、単にロゴをオシャレにしたり、サイトのデザインを整えたりすることではありません。ブランディングの本質は、「顧客の頭の中に、自社特有のポジティブなイメージを定着させること」にあります。綺麗なサイトは信頼感を与えますが、それだけでファンは生まれません。「このショップは、私の悩みを解決してくれる」「このブランドの考え方に共感する」といった価値が伴って初めて、ブランディングとして機能します。

ECサイトのブランディング領域とは
実店舗がないECサイトでは、以下のすべての接点がブランディングの対象となります。

・サイトのデザインと操作性(UI/UX)
・商品紹介の文章とストーリー
・SNSでの発信内容とフォロワーとの距離感
・商品が届いた時の梱包・同梱物
・購入後のアフターフォロー

なぜ今、ECにブランディングが必要なのか?

ブランディングという形が無いものと、物理的な商品やサービスを販売するECサイトには一見、親和性があるイメージが沸かない方もいらっしゃると思います。しかし、ただお客様のニーズに応えるだけでは、機能や価格といった商品やサービスそのものの価値で競争に加わることになり、価格競争の発生、次いでサービス競争の発生、そして戦っていくためのコストの増加、利益率の低下、予算削減、といった負のスパイラルに陥ってしまいがちです。
多くのEC運営者がブランディングに取り組む背景には、主に3つの理由があります。

① 価格競争からの脱却
Amazonや楽天市場などのプラットフォーム内では、1円でも安いものが選ばれる傾向にあります。しかし、独自のブランド価値を確立していれば、「高くても、この店から買いたい」という心理が働き、利益率を高く保つことができます。

② 広告コスト(CPA)の高騰
EC市場の拡大により参入企業が増え続けており、新規顧客を獲得するための広告費は年々上昇しています。ブランディングによって指名検索を増やすことができれば、広告費を抑えながら安定した集客が可能になります。

③ ファン化によるLTV(顧客生涯価値)の最大化
ブランドのファンになった顧客は、一度の購入で終わりません。何度もリピートし、知人に勧め、SNSで自発的に発信してくれます。このファン化こそが、EC事業を安定させる基盤となります。

ブランディングとマーケティング、何が違ってどちらからやるべき?

よくブランディングという言葉とセットで、マーケティングという言葉が使われることがあります。どちらもECサイトを構築・運営するうえで密接な関係にある施策ですが、端的に整理すると以下のような違いがあります。

①ブランディング
顧客が抱く「ならではの価値・魅力」を作る(価値を磨き上げる活動)

②マーケティング
買ってくれそうな顧客を集めてくる(価値を知ってもらう活動)

もっと簡単に表すならば、ブランディングは、自社や自社の商品の何が良いのかをハッキリとさせることです。ただハッキリさせても、それを良いと思ってくれそうな人に伝えないと意味がありませんので、そのような人を見つけて、訪問してもらうのがマーケティングです。このような目的から、ECサイトにはブランディングもマーケティングも重要なわけですが、伝えることが無ければ(ハッキリしていなければ)、どのような人を連れてくるのか明らかにできません。そのため、まずはブランディングから考えていく必要があるのです。

ECブランディングを成功させる5つのステップ

ECブランディングを成功させるには、一般的に以下の5つのステップで進めることが多いです。

ステップ1:市場分析とポジショニング分析
まずは3C分析と呼ばれる「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」を分析します。「競合がまだ満たせていない顧客の不満」と「自社だけが提供できる独自の強み」の交差点を見つけることが、ブランドの土台となります。

ステップ2:ペルソナの設定
たとえば「うちは自動車を販売するから、車が好きな人でしょ」だけでは、まだかなりボンヤリしています。そのような人たちに車を売りたい企業はたくさん存在します。「30代・男性」といった大まかな属性ではなく、その人の悩み、趣味、価値観、一日の過ごし方まで具体化します。ペルソナの解像度を高めることが、顧客に届くメッセージを生み出します。

ステップ3:ブランドアイデンティティの言語化
ブランドの存在意義を定義する作業です。以下のようなアウトプットを作ります。

ビジョン: どんな世界を作りたいのか
バリュー: 顧客にどんな価値を提供するのか
タグライン: 一言で言うとどんなブランドか(例:お、ねだん以上。など)

タグラインについては、たとえば「うちの車は最新の機能が揃っている割に、お値段が手頃です」だと、自ら価格競争・サービス競争に踏み込むようなものです。自動車を造るときに、きっと考えたであろう「こんな人に乗ってもらって、こんな幸せを感じてもらいたい、だからこんな特長を盛り込みました」。そんな想い(コンセプト)と、実現したこと(エビデンス)をハッキリ明文化する必要があります。

ステップ4:ビジュアルへの落とし込み
定義したアイデンティティに基づき、ロゴ、カラー、フォント、写真のトーンを統一します。ここで初めて「デザイン」の出番です。

ステップ5:一貫性のあるコミュニケーション
サイト、SNS、メルマガ、梱包材まで、すべて同じブランドイメージで接します。この一貫性が、顧客の信頼を「ブランド」へと変えていきます。

実践するために周りを巻き込んで課題感を共有しよう

ハッキリさせるべきことを2つ説明しましたが、どうすれば上手く整理できるでしょうか。
果たして開発する方も、販売する方も、経営する方も、同じ意識や意見を持っているでしょうか。
また、課長も部長も役員の方も、同じ想いを持っているでしょうか。

残念ですが、社員数名の企業の場合を除いて、ブランディング無しで意識や意見が統一されていることは少ないです。そのため、ブランディングをやろうにも一人だけで「私はこう考えます!これが我が社の製品のブランドです」とまとめてみても「そうかもしれないし、そうでないかもしれない」のような状態になるのが関の山です。社内の各部署、各役職の方に課題感を感じてもらうために最初にやってみるべきことを1つご紹介します。それは「社内ワークショップ」です。

詳しくはこちらの記事で紹介していますが、ワークショップの目的は、「『みんな、今どう思ってる?』を洗い出す」ことです。これが、自らの価値を(再)認識し、ターゲットに対してどのように表現し、届けていくのか、立ち止まって考える第一歩になります。

ジェイスリーでは、「ワークショップの企画・運営から手伝ってほしい」から、その先にあるしっかりとしたブランディング活動の支援まで、幅広く支援させていただいていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

プロデューサー 藤井 洋志

大学卒業後、システム・エンジニアの職に就いたのち、2006年にジェイスリーに入社。ディレクターとして、WEBサイトやコーポレートツールなどの企画・設計から、取材、ライティングまで幅広い業務に携わる。これまでの担当クライアントも観光、保険、商社、交通、住宅、ホテル、IT、機械、飲食など多岐にわたる。また、JNTOなど自治体・企業のインバウンドコンテンツやプロモーションの実績も多数。現在は、事業部のマネージメントを行いつつ、企業のブランディングを主体としたコンサルティングを行っている。島根県出身。

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