ECサイトの価値を向上し差別化を図る「ブランディング起点」という考え方

商品やサービスを販売するECサイトを簡単に作ることができるようになって数年。世の中に存在するECサイトは100万件を超えています。ECサイトをこれから始める方、もしくは既に運用されている方にとって、単に商品をネット上に陳列するだけでなく、いかに競合他社と差別化を図り、顧客を囲い込むことができるかが最重要課題となっています。
今回は、そのための策として「ブランディング+ECサイト」の考え方をご紹介します。
なぜECサイトにブランディングを取り入れる必要があるのか?
ブランディングという形が無いものと、物理的な商品やサービスを販売するECサイトには一見、親和性があるイメージが沸かない方もいらっしゃると思います。しかし、ただお客様のニーズに応えるだけでは、機能や価格といった商品やサービスそのものの価値で競争に加わることになり、価格競争の発生、次いでサービス競争の発生、そして戦っていくためのコストの増加、利益率の低下、予算削減、といった負のスパイラルに陥ってしまいがちです。
一方で、自然と顧客が集まり、購入してもらい、周りの人達にも広まっていくような状況を作り出せたらどうでしょう。競争から抜け出し、負のスパイラルに陥ることもなくなり、売上を伸ばすことだけに注力することができます。そのために必要な考え方とやるべきことが「ブランディング」です。
ブランディングとマーケティング、何が違ってどちらからやるべき?
よくブランディングという言葉とセットで、マーケティングという言葉が使われることがあります。どちらもECサイトを構築・運営するうえで密接な関係にある施策ですが、端的に整理すると以下のような違いがあります。
①ブランディング
顧客が抱く「ならではの価値・魅力」を作る(価値を磨き上げる活動)
②マーケティング
買ってくれそうな顧客を集めてくる(価値を知ってもらう活動)
もっと簡単に表すならば、ブランディングは、自社や自社の商品の何が良いのかをハッキリとさせることです。ただハッキリさせても、それを良いと思ってくれそうな人に伝えないと意味がありませんので、そのような人を見つけて、訪問してもらうのがマーケティングです。このような目的から、ECサイトにはブランディングもマーケティングも重要なわけですが、伝えることが無ければ(ハッキリしていなければ)、どのような人を連れてくるのか明らかにできません。そのため、まずはブランディングから考えていく必要があるのです。
やるべきことよりも、まずは2つの考え方を持って整理してみよう
ブランディングでやるべきことを細かく調べてみるほど、しばしば聞いたこともない専門用語が出てくることでしょう。今回は、自動車の販売(ネットで車を即購入する人は少ないかもしれませんが、分かりやすいので)を例にしてやるべきポイントを2点に絞って説明していきます。
・[相手]ターゲット/ペルソナをハッキリさせる
たとえば「うちは自動車を販売するから、車が好きな人でしょ」だけでは、まだかなりボンヤリしています。
そのような人たちに車を売りたい企業はたくさん存在します。もっと自社の商品の特長や個性を見つめて詳しくしていく必要があります。
・[自分]商品/サービスの特長や、その裏付けとなる想いをハッキリさせる
たとえば「うちの車は最新の機能が揃っている割に、お値段が手頃です」だと、自ら価格競争・サービス競争に踏み込むようなものです。自動車を造るときに、きっと考えたであろう「こんな人に乗ってもらって、こんな幸せを感じてもらいたい、だからこんな特長を盛り込みました」。そんな想い(コンセプト)と、実現したこと(エビデンス)をハッキリ明文化する必要があります。
実践するために周りを巻き込んで課題感を共有しよう
ハッキリさせるべきことを2つ説明しましたが、どうすれば上手く整理できるでしょうか。
果たして開発する方も、販売する方も、経営する方も、同じ意識や意見を持っているでしょうか。
また、課長も部長も役員の方も、同じ想いを持っているでしょうか。
残念ですが、社員数名の企業の場合を除いて、ブランディング無しで意識や意見が統一されていることは少ないです。そのため、ブランディングをやろうにも一人だけで「私はこう考えます!これが我が社の製品のブランドです」とまとめてみても「そうかもしれないし、そうでないかもしれない」のような状態になるのが関の山です。社内の各部署、各役職の方に課題感を感じてもらうために最初にやってみるべきことを1つご紹介します。それは「社内ワークショップ」です。
詳しくはこちらの記事で紹介していますが、ワークショップの目的は、「『みんな、今どう思ってる?』を洗い出す」ことです。これが、自らの価値を(再)認識し、ターゲットに対してどのように表現し、届けていくのか、立ち止まって考える第一歩になります。
ジェイスリーでは、「ワークショップの企画・運営から手伝ってほしい」から、その先にあるしっかりとしたブランディング活動の支援まで、幅広く支援させていただいていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
大学卒業後、システム・エンジニアの職に就いたのち、2006年にジェイスリーに入社。ディレクターとして、WEBサイトやコーポレートツールなどの企画・設計から、取材、ライティングまで幅広い業務に携わる。これまでの担当クライアントも観光、保険、商社、交通、住宅、ホテル、IT、機械、飲食など多岐にわたる。また、JNTOなど自治体・企業のインバウンドコンテンツやプロモーションの実績も多数。現在は、事業部のマネージメントを行いつつ、企業のブランディングを主体としたコンサルティングを行っている。島根県出身。
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