社員を巻き込んで組織を強くする、はじめてのインナーブランディング

経営者にとって採用難による人材不足、新卒入社となっても数ヶ月で退職代行サービスによる離職、●●ハラスメントなど、「人」に関する話題は尽きません。それと比例して、人材を「資本」として考える「人的資本経営」を実践する企業は年々増加しています。
新型コロナ感染症の流行により出社から在宅ワークにシフトしたことで、従業員の会社に対する帰属意識も希薄になっており、エンゲージメントを維持し、より高めることが企業成長のカギとなっています。インナーブランディングを実践し、「人材価値を高める=企業価値を高める」ことが多くの企業で求められています。
インナーブランディングに取り組む企業が増えている理由
1)従業員の共感とモチベーションの向上
インナーブランディングは、従業員が企業の使命や価値観に共感し、自らの役割や貢献を理解することに焦点を当てています。従業員がブランドに強い結びつきを感じると、彼らの共感や仕事へのモチベーションが高まります。
2)ブランド体験の再現性を維持できる
企業が外部向けのブランドメッセージやイメージを一貫して維持するためには、内部での一体感と共通理解が重要です。インナーブランディングを通じて、従業員がブランドの価値観や文化を体現することで、ブランド体験の再現性を維持することができます。
3)従業員の定着と離職率の低下
従業員が企業のブランドと共感し、その文化に溶け込むことができれば長期間にわたって企業に留まる可能性が高まります。インナーブランディングは、従業員の定着率を向上させ、離職率を低下させる効果があります。
4)優秀な人材の獲得と競争力の維持
従業員にとって魅力的な職場環境を提供すると、優秀な人材の獲得や定着を維持することができます。また、企業が自社のブランド価値を内外に示すことで、競争力を維持し、業界内でのポジションを強化することができます。
インナーブランディングとは(定義)
インナーブランディングとは、企業内部で従業員の理解や共感を促進し、ブランドの価値観や企業文化を浸透させる取り組みです。目的としては、「企業のありたい姿に向かって、従業員ひとりひとりが主体性をもってチカラを発揮し、活躍できる状態(成長)を築くこと」です。この「ありたい姿」のことを多くの企業では「ミッション」や「ビジョン」として掲げており、近年ではより長期的な「パーパス(存在意義・貢献価値)」として表す企業も増えています。
ここでは、インナーブランディングの定義について大企業と中小企業で解説します。
◆大企業向け
大企業におけるインナーブランディングは、多くの従業員を抱え、複雑な組織構造や文化を持つ場合があります。そのため、大企業のインナーブランディングは、従業員の一体感や組織文化の統一を重視します。
<ミッションとビジョンの共有>
大企業では、組織全体が共通のミッションやビジョンに向かって進むことが重要です。インナーブランディングは、これらのミッションやビジョンを従業員に共有し、彼らがそれを理解し、共感することを促します。
<コミュニケーションの強化>
大企業では、従業員間や部門間のコミュニケーションが円滑であることが重要です。インナーブランディングは、オープンで透明性のあるコミュニケーションを促進し、情報の共有と相互理解を深めます。
<リーダーシップの役割>
大企業では、リーダーシップ層が組織文化を牽引する役割が重要です。インナーブランディングは、リーダーが従業員に対してブランド価値や文化を示し、模範となることを支援します。
◆中小企業
中小企業におけるインナーブランディングは、より直接的でアクセスしやすい組織構造を持つ場合があります。そのため、中小企業のインナーブランディングは、従業員の参加と共感を重視します。
<企業文化の醸成>
中小企業では、組織文化を従業員と共に築いていくことが重要です。インナーブランディングは、従業員が自らのアイデンティティと組織の価値観を共有し、育成することを支援します。
<チームビルディング>
中小企業では、小規模なチームが緊密に連携して業務を遂行することが多いため、インナーブランディングはチームビルディングを促進し、従業員間の信頼関係と協力関係を深めます。
<働きやすい環境の提供>
中小企業は、従業員一人ひとりの声を聞きやすく、柔軟な働き方を提供しやすいためインナーブランディングは、従業員のニーズやフィードバックを活用し、働きやすい環境を創造します。
インナーブランディングの目的を明確に!
企業がはじめてインナーブランディングに取り組む際、まず目的を明確にする必要があります。そして従業員にその効果を理解してもらい一緒に取り組むことが重要です。自社が解決すべき課題が何かを共有して施策を打つことで、自主的な活動を促すことにもつながっていきます。しかしながら経営者だけでは実行に移すことが難しいことも多く、ジェイスリーでは従業員を巻き込んだインナーブランディングを支援しています。
まずは、現状認識とあるべき姿を言語化する「はじめてのインナーブランディング」を実践してみませんか?
ジェイスリーのインナーブランディング事例
弊社は、2021年に現社長が就任するタイミングに合わせ、自社のリブランディングを実践しました。社内で社歴の浅いメンバー(新卒・中途含め)を中心にプロジェクトチームをつくり、ジェイスリーの企業価値を自ら再定義し、インナーブランディングと対外的なブランディングを並行して行いました。
自社リブランディングを通して弊社社長の足立が感じたこと・考えたことは、「新社長が自社のリブランディングを実践してみてわかったこと」として前編と後編でご紹介しています。
また、BtoB企業であるミヨシ油脂様が創業100周年を機に行ったインナーブランディングを主眼に据えた周年記念プロモーションのトータルディレクションなども弊社で担当しました。この案件では、全社員に向けて「自社製品がこんなところに使われている」「実はこんなにスゴイ会社」といったことを募集し、その中から100個をピックアップして紹介。管理職には全員社内報に登場していただいたり、社員をターゲットにしたパーパスムービーを制作したり、社内のプロジェクトメンバーのサポートを行いながら、周年記念プロモーションに紐づけて社員に対する企業ブランドの共通理解を推進しました。
その他にも、社員の方を交えたワークショップを行ってインナーブランディングを推進した事例は多数あります。そのうちいくつかの事例は、弊社のブランディング事例紹介コンテンツでご確認いただけます。
インナーブランディングを実践することで、対外的なブランディングもスムーズに展開できるようになります。御社でもインナーブランディングについてぜひ検討してみてください。
1974年島根県生まれ。インフォメーションデザインを主体にキャリアをスタートし、インターネット創成期における大手企業サイトやキャンペーンサイトのプロデュースを数多く手掛ける。現在はBtoB企業やスタートアップ、自治体などの課題をブランディングとDXの知見を活かしコンサルタントとして活動している。2020年 代表取締役社長に就任。
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