新社長が自社のリブランディングを実践してみてわかったこと(後編)

前編では、リブランディングに至った理由やチームづくりについてお伝えしましたが、今回は具体的なアクションプラン、アウトプット、レビューまでのプロセスをお伝えし、最後にリブランディングしてわかったことをまとめてみました。

ベンチマークを調査し、自分たちのポジションを再認識してみる

まずはじめにジェイスリーの目指す方向性(ベクトル)に近い企業をベンチマークとして挙げました。従来の「広告制作会社」という業種(カテゴリ)の枠ではなく、上流の戦略を担う「コンサルティング」「ブランディング」「マーケティング」で実績のある企業を洗い出すことからはじめました。

そして経営方針、事業計画、営業活動、採用活動、広報活動などの観点で情報を収集し、
あわせて各事業ドメイン、市場でのニーズやソリューションについてもどんなことが求められているかを洗い出し、今後向かうべき方向性(ベクトル)を探りました。

ジェイスリーを客観的に分析し、強み弱みを徹底的に洗い出す

これまでのジェイスリーが強みとしていたこと、弱みだったこと、今後さらに強みにしたいことを挙げ、調査・分析の結果も踏まえてポジショニングを固めていき、新生ジェイスリーのブランドに対する粒度を徐々に高めていきました。

<これまでの強み>(一部抜粋)
・クリエイティブにおける品質と信頼
・新たなマーケット(DTP、WEB、インバウンド)への対応力
・企画提案力
・雑誌、広告、WEB媒体の制作ノウハウ
・編集力

<弱み・苦手なこと>(一部抜粋)
・俗人的なスキルや繋がり
・新規顧客営業
・上流工程の収益化(価格転嫁)
・メンバーの得意分野や付加価値のアピール

<今後強みにしたいこと>(一部抜粋)
・定量的な分析力
・継続的な効果計測
・企業間コラボレーション
・ビジネスモデルの創出力
・影響や変化を促す広報
・営業的アピール

新たなブランド戦略を具体的なアクションプランに落とし込む

営業活動、社内活動、採用活動、広報活動などさまざまなアクションプランをディスカッションし、まずは広報活動と社内活動を先行して取り組むことに決まりました。

1)広報活動におけるアクションプラン
目的の明確化
価値を共創することができるブランディングカンパニーとしての認知拡大
ターゲットの明確化
既存クライアント、新規見込み顧客
ゴール設定
PV/UU、問合せ件数、紹介件数
活動手法
自社サイト、Facebook、Instagram、ツイッター、メールマガジン、会社案内、名刺、ZOOM背景、etc.
効果測定
Google Analytics、MAツール
役割
各メンバーの担当
スケジュール
月次のリリース予定

 

2)社内活動におけるアクションプラン
目的の明確化
自社の事業やメンバーの取り組みを知る、自己表現アピールの強化、未経験のことで経験を積む
ゴール設定
セルフブランディング、経営的視点での活動、プロジェクトの推進力アップ
活動手法
全社集会での活動報告レビュー、自社サイトでのメンバー・役員の紹介

新たなジェイスリーを示すコンセプトを決め、言語とビジュアルへ落とし込む

今回のリブランディングでは企業理念に基づき、新たにMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を設計することにも取り組みました。
そのため現社長である私の想い、創業者の想い、長年働く社員などさまざまな人にヒアリングすることでジェイスリーの思想や歴史、これまでの取り組みについて深く理解したことで生み出すことができたと感じます。
キーワードやフレーズの一つひとつがジェイスリーのDNAであり、それを言語に落とし込み、MVVとして可視化していくプロセスをメンバー自身が体現できたことは非常に大きな収穫でした。

<ワークショップでのディスカッション>

<決定したMVV>
ミッション(M):正しく整えて、正しく伝える
ビジョン(V):価値を共創するブランディングパートナー
バリュー(V):ブランディングを通じて「道しるべ」となり、成功へ導く

元々、ロゴマークやビジュアル表現、コピーなどの言語表現は我々の得意領域でもあり、ここまでくるとみんなの思考や作業スピードは自然と加速していき、トンネルの出口がおぼろげながら見えてきた印象でした。

CI/ロゴマークについては、経営方針や事業戦略、MVVが明確だったこともあり、ドラフトからフィニッシュまでは比較的スムーズに進み、満場一致で決定に至りました。

<CI制作のプロセス>
・初期ドラフト〜ブラッシュアップ案

 

 

・決定案

 

・コンセプト

 

・過去ロゴとの比較

 

各ツールやメディアへの展開と社内レビューを実施

CI/ロゴ決定後に広報活動、社内活動のアクションプランに沿って、以下のツール、メディアを段階的に準備していきました。

—2020年リリース
企業サイト、会社案内パンフレット、封筒
名刺、ZOOM背景
メールマガジン、Facebook、Instagram、Twitter

 

 

—2021年リリース
メンバー・役員紹介:WEBサイト、企画提案書
営業ツール:ソリューション、サービス紹介(予定)

 

 

そして、社内でのお披露目は毎月開催している全社集会で、リブランディング委員のリーダーから今回のプロジェクトの経緯やコンセプト、アウトプット、今後の展開などをプレゼンテーションしてくれました。
また社外の方々へは私の社長就任の挨拶と合わせて、メルマガを通じて当社のリブランディングをお伝えし、たくさんの方々からお祝いと評価をいただくことができ、あらためて新たなスタートラインに立ったことを実感することができました。

〜まとめ〜
新社長がリブランディングしてわかったこと、得たこと

2019年から約1年半にわたり本プロジェクトをメンバーには遂行してもらい、私自身多くの気づきや失敗がありました。
メンバーも既存の事業に対する理解はあるものの、現在発展途上の事業や今後の計画をどう伝えるべきか、またミッション、ビジョン、バリューを言語化することの難しさをみんなと一緒に悩み、一緒に考え抜けたことはとても価値のある経験でした。

<リブランディングのポイント>
・自社の課題(経営面から実務面などあらゆること)を可能な限りすべて伝える。
・立ち返る場所(目的)を最初に決めておく。なぜリブランディグが必要か?を共有する。
・社長としての考えを伝えるだけでなく、社員、パートナー、クライアント、それぞれ視点でジェイスリーの価値を一緒に考え抜く。
・メンバー一人ひとりが自分ごとに捉えて、とことん議論し納得して決める。
・失敗することを恐れず、実験だと思ってとにかく試してみる。

<新社長がリブランディングで得られたこと>
・メンバーと共に一緒に新らたに会社を創造する喜びを体現できたこと。
=トップダウン型からボトムアップ型を実現できた。
・新たなジェイスリーのカタチ、今後の事業、価値を見つめ直し、目指すべき方向性を再確認できたこと。
・メンバーを信じ、社員、役員という枠を超えて一つのゴールを目指せたこと。

<総括>
これまでの習慣や考え方にとらわれることなく、多彩な視点や自由な発想でサービスや事業、企業活動を常に進化させていくことこそがブランディングの本質ではないかと考えます。
「ジェイスリー」の価値を社内、社外に浸透させ、その価値をさらに高めることを習慣づけ、日々取り組んでいくことを今後もメンバーと共に継続していきます。
このプロジェクトを一緒に達成してくれたメンバーに感謝すると共に、さらなる高みに向けて今後も一丸となって精進して行こうと思います。
なお、現在はリブランディングや広報メンバーを再編し(第2期メンバー)、隔週で定例MTGを開催し、取り組みを継続中です。
ブランディングカンパニー、「新生ジェイスリー」にご期待ください!

代表取締役社長 足立 功治

1974年島根県生まれ。インフォメーションデザインを主体にキャリアをスタートし、インターネット創成期における大手企業サイトやキャンペーンサイトのプロデュースを数多く手掛ける。現在はBtoB企業やスタートアップ、自治体などの課題をブランディングとDXの知見を活かしコンサルタントとして活動している。2020年 代表取締役社長に就任。

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