企業のブランド価値を高めるパーパス・ブランディング

加速度的な技術革新や顧客側から見た多様な選択肢など、激しさを増す現代のビジネス環境において、企業価値を高めるブランディングは不可欠な取り組みになりました。今回は企業ブランディングの中でも、近年、一躍有名になったパーパスについてご紹介します。

選ばれる企業になるための「企業ブランディング」

企業ブランディングとは、企業が自らの価値観や強みといったアイデンティティを明確にして、顧客や市場にそのイメージを伝える活動です。そうすることで、顧客の心の中に好意的な企業イメージが蓄積され、必要が生じたときには真っ先に思い出され、選ばれる存在になります。

例えば、「暮らしの不便や不満を、高機能素材で解決してくれる技術力のある繊維系素材メーカー」といえば、どんな企業をあなたはイメージしますか?東レ?旭化成?日清紡?人によって答えはさまざまでしょう。けれど、それでいいんです。この答えに間違いはありません。ただ、一番多く回答されたブランドこそ、その状況になったときに最も選ばれる可能性の高い企業であり(必ずしも選ばれるというわけではありませんが)、現時点のそのカテゴリーにおいて最もブランディングに成功しているブランドと言えるのです。

企業ブランディングの「パーパス」とは

企業が自らの価値観や強みといったアイデンティティを定義する方法としてはミッションやビジョンが一般的ですが、冒頭でも触れたように近年の企業ブランディングでは「パーパス」が注目を集めています。由来となる英単語のpurposeと同様に、企業の「目的」を明確にするブランディング手法ですが、ただ「目的」を示せばいいという訳ではありません。

SDGsが定められた2015年から早くも9年。日本でも、「環境や社会のためになるか」という基準が消費者や中小企業にまで浸透してきており、世界規模で言えばサステナビリティや公共性は企業が存在するための前提条件となった感があります。その社会に対する目的・存在意義を表明するのがこのパーパスの役目であり、「自社らしさ」と「社会に提供する価値」が含まれているのが一般的です。

重要なのはパーパスを起点とした「ブランド戦略」

ブランディングで企業価値を高めていくためには、このパーパスやミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)といったマインド・アイデンティティ(以下、MI)を、ブランド戦略に反映させる必要があります。その際に重要なのが、ブランドの一貫性を保つことです。MIを起点に、製品・サービスといった事業や従業員一人ひとりの振る舞い、広告コミュニケーションなど、一貫性のあるメッセージや体験を発信し続けることでブランドのイメージを統一し、企業の信頼性と認知度を獲得していくことにつながります。

▼パーパスやMVVの詳しい定義についてはこちら

企業理念とは?ミッションって?企業の根幹をなす言葉の定義

例えば、ソニーは世界中の従業員から意見を募り、2019年に「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というパーパスを発表し、併せて「夢と好奇心」「多様性」「高潔さと誠実さ」「持続可能性」という4つのバリュー(価値観)を制定している。さらに、このパーパスに基づいてCMの最後に使われる企業ロゴのデザイン変更や、ソニー全体のデザインを司るデザインフィロソフィの再設定などが社内外で行われました。

弊社が支援している各企業さまでも、パーパス・ブランディングに取り組まれています。自然・環境をテーマに老舗メディアを運営しているA社では、これまで社内の直接的なコミュニケーションで受け継がれてきた「自社らしさ」を見つめ直し、社会と自社の現状を踏まえて言語化するプロジェクトを実施しました。その際に特に重視したのが、社会に提供できる自社らしい価値とはどういうものか(=パーパス)ということ。ディスカッションを繰り返した結果、パーパスではなくMVV+タグラインという理念体系になりましが、社会に対する自社の存在意義が色濃く反映されたMIとなりました。

現在の企業には刻一刻と変化を遂げる市場や競合状況に適応するための柔軟性とスピード感が求められています。繰り返しになりますが、企業ブランディング/パーパス・ブランディングとは企業が自らの価値観や強み、社会に対する目的・存在意義を明確にするものです。御社のパーパス・ブランディングはいかがでしょうか?

「自社のブランディングに興味はあるけどややこしそう」「結局、何をしたらいいのかよくわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

コピーライター・ブランドコンサルタント 安藤 慶太

広告制作会社、ブランディングエージェンシーを経てジェイスリーに入社。コピーライター兼ブランドコンサルタントとして、さまざまなBtoB/BtoC企業やその製品/サービスのブランディング実績を有する。マーケティングリサーチ、コンセプトメイク、ネーミングやスローガンなどのバーバル開発、商品開発、PRツール制作のほか、ブランドマニュアル、CI/VI開発、パッケージデザイン、ブランドムービー制作、ブランドサイト構築等のクリエイティブディレクションまで手掛け、一貫したブランディングを支援する。

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