採用対策?営業促進?企業サイトの目的別構築パターン

誰もがWEB上で簡単に企業情報を知ることができることから、大手企業の9割以上が開設しているといわれるコーポレート・サイト(企業サイト)。「会社案内のWEB版」という位置づけで考えられていることも多いですが、顧客や求職者、社員、株主、など様々なステークホルダーとコミュニケーションを図る重要な役割を担っています。ここでは企業サイトが果たす重要な役割と、3つの目的に特化した構築パターンをご紹介します。

企業サイトの最も重要な役割とは何か

どのような人が、どんな目的で企業サイトを訪れるのかをイメージしてみると、例えば求職者の場合、採用ポータルサイトに訪れて企業を探した後にその企業の採用サイトを見ることでしょう。その際に企業サイトもきっと訪れます。また、顧客の場合はサービスや商品を調べた後に企業情報を確認しに来ることも多いと思います。さらに社員の家族は、どのような会社で働いているのかを確認しに来ることもあるでしょう。それぞれ企業サイトに訪れるきっかけは異なれど「会社が信頼できるか、安心できるか、を確認したい」という目的は共通しています。この共通の目的に応えることが以下の2つの理由から近年、特に重要とされています。

①VUCA(ブーカ)の時代
VUCAは「変動性・不確実性・複雑性・曖昧性」のことで、いつどこで何が起こるか分からない災害、新型コロナウイルスに見られる新たな疾病、急速に進歩するAIをはじめとした技術など将来・先行きが不透明で予測が困難な今の時代を表しています。このような時代において、購入や求人応募、取引や投資などの目的に対して業績の数字や商品のスペックだけでは信頼・判断をしづらくなってきています。

②ミレニアル世代/Z世代
これまでとは異なる環境・時代背景を過ごしてきたミレニアル世代/Z世代の登場が2つめの理由です。この世代の特徴的なキーワードをいくつか挙げるとすると「柔軟性」、「創造性」、「社会や世界への影響度」、「地位や権力・収入や金銭面の軽視」、「共感とやりがいがあってこそのキャリアアップ」など。たとえば「明確な価値観があるか?それが事業に繋がっているか?」「社会的な取り組みの背景にどんな想いがあるか?」など、企業の知名度や数字的な魅力、安定性よりも、企業の想いに共感できるかどうかが重要になっています。

今の時代と人々にフィットする企業サイトのパターン

人材採用や営業強化など、自社にとって特に注力したい点に企業サイトを特化させることで、これらの変化に対応し、フィットしたサイトを構築することができます。

①採用特化型
日本では、社員の過半数以上が自分の働いている企業を信頼していないというデータがあり、他国と比べても低い水準となっています。そんな中で、求職者の信頼と共感を得る目的に特化するのが「採用特化型企業サイト」。ポイントとなるのは「想い、人、表現」。しっかりした想いを形にしてみる、それを体現している社員を選ぶ、アンケートのようなインタビューではなく熱量が伝わる文字や写真で表現する、といった点です。

この事例として、弊社の実績の中から株式会社JALグランドサービス様の企業サイトを紹介します。事業紹介では、事業内容に続いて働く社員の姿とインタビューを一体とした構成に。「事業内容は企業サイト」、「社員インタビューは採用サイト」、という分け方のセオリーから脱却し、伝えたいことをターゲットにとって自然な流れで伝えることを狙っています。
JALグランドサービス様の企業サイトの事例詳細はこちら

②商品・サービス特化型
今まで以上にオンラインの情報収集が増加する中で、WEBメディアやWEBサイトを通じて安心と信頼を感じてもらえること、なおかつ目的以外の情報も知ってもらえることが重要です。企業サイトが営業的な側面を兼ねるパターンが「商品・サービス特化型」です。ポイントとなるのは、「入口と出口」の考え方。目的の情報を見つけやすく、なおかつ知らなかった情報に気付けるような入口の設計と、情報取得後のアクション(問い合わせ、他サイトへの誘導、同サイトの回遊など)に応じた出口の設計が重要ということです。

この事例として、弊社の実績の中からスターツコーポレーション株式会社様の企業サイトを紹介します。
事業内容(何をやっている企業か)を知りたいユーザーと、サービス(何を提供しているのか)を知りたいユーザーに合わせた2つの入り口を設置。いずれの入り口も、企業としての特長を伝え、安心感・信頼感を感じていただきながら、最終的に事業を行っているグループ会社や、サービスを提供しているWEBサイトなどに誘導する狙いがあります。
スターツコーポレーション様の事例はこちら

③存在意義特化型
サステナビリティの観点から、売上・利益のみを追求する企業活動は社会や自然界に長期的な悪影響を与えてしまうことが世界で認識されています。このため、自社のことだけではなく「社会にとっての自社」を見つめなおし、これを「パーパス(purpose)」として発信することが重要になっています。パーパスは、企業の想いや決意を表す「企業理念」や使命や役割を表す「ミッション」、目指す姿を表す「ビジョン」などとは異なり、自社と社会の関係性を俯瞰して、自社が存在する意義や理由を明確にするものです。ポイントとなるのは「作り方と、表現の仕方」。存在意義は社会から与えられるわけではなく、自社で考え、形にする必要があります。また、それを誰にでも分かりやすい形で伝えなければなりません。

この事例として、弊社の実績の中からミヨシ油脂株式会社様の企業サイトを紹介します。ヒアリングを重ねクライアントと同じ価値観、共通認識を持ったうえで、それらを動画を用いて表現。自社の活動が社会や生活にどのように影響し、存在意義(目的)をどう考えているのか分かりやすく伝えています。
ミヨシ油脂様の事例はこちら

今すぐ考えてみるべきこと

企業サイトの目的は、安心と信頼を感じてもらうこと。求職者の応募、見込み客の購入など、最終目標に応じたパターンで構築することをおすすめします。しかし、そもそも「伝えるべきことが何か明確でない」という場合もあるかと思います。自社がどこまでできているか、下記をチェックしてみましょう。

(1)自社が伝えるべきことが整った状態かどうか
 ・企業理念、ミッション、ビジョン、バリューは明確か?
 ・それは、わかりやすく表現されているか?
 ・それは、社員や顧客に伝わっているか? 理解されているか?

上記が十分でなければ、企業サイトと一緒に企業ブランドも見直す余地があります。
もし整った状態であれば、以下を確認してみましょう。

(2)企業サイトでしっかりと伝えられているかどうか
 ・正しく、分かりやすい表現と手法で発信できているか?
 ・最終目標(採用応募や購入などの行動)に貢献できているか?

これが十分でない場合は、不足している点を検証・分析し改善施策を図る必要があります。

チェック結果はいかがだったでしょうか。本来は感覚的な考えではなく、しっかりと実際の社員や顧客に対して調査していくことが重要です。その調査段階から弊社でご支援可能ですので、実施が難しいと思われる企業様はぜひ一度ご相談ください。もちろん、パーパスの策定や企業サイトの見直しについてもお気軽にお問い合わせください。

プロデューサー 藤井 洋志

大学卒業後、システム・エンジニアの職に就いたのち、2006年にジェイスリーに入社。ディレクターとして、WEBサイトやコーポレートツールなどの企画・設計から、取材、ライティングまで幅広い業務に携わる。これまでの担当クライアントも観光、保険、商社、交通、住宅、ホテル、IT、機械、飲食など多岐にわたる。また、JNTOなど自治体・企業のインバウンドコンテンツやプロモーションの実績も多数。現在は、事業部のマネージメントを行いつつ、企業のブランディングを主体としたコンサルティングを行っている。島根県出身。

この記事に関連するサービスはこちら

お気軽にお問い合わせください

お電話でのお問い合わせ

10:00-18:00(土日・祝日・年末年始を除く)

フォームからのお問い合わせ

以下のフォームに必要事項を記入の上送信ください。
「※」は入力必須項目となります。

 ※
 ※
 ※
 ※
 ※
  1. TOP
  2. 採用対策?営業促進?企業サイトの目的別構築パターン

CONTACT

お困りごとはありませんか? 
お問い合わせやご相談は、お気軽に。
新たな価値の共創は、ここから始まります。