ブランド価値を高めるロゴづくりとは?

企業やサービス、商品パッケージなど、私たちの身の回りの風景のどこを切り取っても目にする「ロゴ(ロゴマーク)」。ブランドの価値観や独自性を表現する「顔」とも言えるもので、ジェイスリーでもこれまで数多くのロゴをデザインしてきました。
今回は、デザイナーの目線から、ジェイスリーがロゴ制作のプロセスにおいて大切にしているポイントをご紹介します。
ロゴの良し悪しの判断基準
AIやデザインツールなどの発達もあり、誰でもロゴをつくることができるようになっています。見た目が素敵なデザインや凝ったデザインでも割と簡単につくれるようになった反面、見た目と中身(伝えるべきこと)が合致していないようなケースも見受けられます。
そもそも、ロゴの役割やその良し悪しとはどのようなものなのでしょうか?
例えば、新興のSaaS企業のサービスロゴと老舗企業のコーポレートロゴでは、求められること・表現すべきことが異なります。
伝えるべき内容や役割は要件や目的によって変わりますが、ロゴは、企業やサービスなどの「ブランドの本質を伝える記号」としての役割を持っています。企業ロゴの場合、企業としての考えやメッセージであるコーポレート・アイデンティティ(CI)を構成する要素であるヴィジュアル・アイデンティティ(VI)に含まれます。そのため、企業ロゴはCIに基づいてつくられるべきものであることは明白です(※)。
そう考えると、下記の要素が適切に表現されているロゴは、ロゴ本来の役割を果たせている良いロゴと言えるでしょう。
【ロゴに必要な要素】
価値の明確化:ブランドが大切にしている理念や特徴・独自性を表現できているか
視覚的な差別化:ブランドを表現する記号として他と差別化できているか
愛着の形成:ステークホルダーの興味・モチベーションアップにつながり、「ブランドの顔」として機能していくか
※:CIとVIの関係についてはこちらの記事「ロゴレス家電の潮流から考えるCI/VI構築の意義と重要性【前編】」でご説明しています。
良いロゴを制作するために大切なこと
ロゴ本来の役割を果たす良いロゴを完成させるために、デザイナーは形や文字、色などのさまざまな知見を総動員してデザインをつくりますが、ロゴ制作はあくまでもブランディングの一環です。最終的なアウトプットを良いものにするためには、デザインは当然ながらそこに至る前のステップがとても大切です。
●情報収集
ヒアリングやワークショップなどを行い、クライアントの要望はもちろん、ビジョン、事業・サービス内容、業界・競合、ターゲット、社風など、さまざまな面からブランドの情報を集めていきます。
●情報整理
要件や目的と照らし合わせて、集めた情報を絞り込んだり、効果的な組み合わせを探ったりして情報を整理していきます。
そうしてもっとも重要な「核」を見つけ出します。
この核がブランドコンセプトであり、ロゴをデザインする際の基本的な指針となります。
ロゴは、ブランドの情報を絞りに絞って、最後に残ったひと雫
ロゴは「ブランドの本質を伝える記号」でもあるので、人や場面によってとらえられ方が異なってしまっては困ります。ロゴを通して伝えたいブランドの本質が、間違って伝わることになりかねません。
さまざまな面からブランドの情報を収集することは、とても大切な作業です。そこからきちんと情報を整理せず、方向性を絞り込まないままデザイン制作に入ってしまうと、本質がぼやけたまま可視化してしまって、一番伝えたいところである「核=ブランドコンセプト」がわかりにくくなってしまいます
限られた時間のなかで、ブランドの本質を伝えるロゴを制作するためには、デザイン制作に入る前にどれだけ解像度高く情報を整理できるかがポイントとなります。
ジェイスリーでは、デザイン提案の段階では3~4案程度のデザイン案を提案することが多いのですが、そこに至る前に、まずはできるだけ解像度高く情報を整理して方向性を絞り込み、その絞られた方向性の中でデザイン案をつくり、さらに絞り込んでいくといった工程を通して、ロゴデザインの精度を高めています。
そうして完成したロゴの事例をご紹介します。
・社名変更やCI/VI開発を含め、将来的な経営ビジョン実現に向けたブランディングを総合的に支援
(モビリクス ホールディングス株式会社様)・企業の実像とギャップを正しく整えるブランディング支援
(グローウィン・パートナーズ株式会社様)・ネーミングやロゴデザインからWebサイト、パンフレットまで、新規キャンプ施設の価値を高めるブランディングをトータルに支援
(日本国土開発株式会社様)その他にも多数の実績があります。
ジェイスリーでは、「ロゴ開発」を含めたブランディングのご支援を行っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。
制作会社・編集プロダクションでグラフィックデザイン、エディトリアルデザインの経験を積んだのちジェイスリー入社。印刷物をはじめ、ロゴ・CI・VI制作、Web制作などグラフィックを中心としたアートディレクション・デザインワークを手掛ける。豊富なエディトリアルの経験から、情報を「伝わりやすく、心にひっかかる」ように編集・構築することが得意。現在は、メーカー、IT、観光など幅広い企業・サービスのアートディレクションに携わっている。
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