その採用サイト、3秒で離脱されているかも?求職者を惹きつけるキャッチコピー

労働人口の減少により、現在、多くの企業が優秀な人材確保のために採用活動に力を入れています。そのうちの一つとして取り組まれているのが、新卒採用の自社サイトや就職情報サイトに掲載される採用キャッチコピーです。

学生は就職活動という限られた時間の中で、多くの情報を見比べ、企業の取捨選択をしなければなりません。そのため、新卒採用の自社サイトや就職情報サイトで真っ先に目に入る採用キャッチコピーは、非常に重要な存在と言えます。

学生を一瞬で惹きつける採用キャッチコピー

人間が1秒間に読める文字数は4文字程度とされており、数秒の間に自社に興味を抱いてもらうためにも、キャッチコピーは企業のさまざまな想いや意味を含めつつ、わかりやすくなければなりません。そして、採用活動の効果を最大化する「採用ブランディング」を行うために、キャッチコピーは企業理念や経営戦略と結びつき、コーポレートブランドから一貫している必要があります。

今回は大手企業8社の新卒採用サイトのキャッチコピーを参考に、効果を発揮する採用キャッチコピーを紹介します。

1)企業理念を訴求する

多くの企業で制定している「企業理念」を、そのまま採用キャッチコピーにするケースがあります。これは、企業理念が企業活動の拠り所であるからです。企業理念に共感できる人であれば、その事業内容や社風にも高い親和性が期待でき、会社に早く打ち解けて熱心に働いてくれる可能性が高まります。

未来創発(株式会社野村総合研究所)

野村総合研究所がコーポレートステートメントとして掲げているのが、「Dream up the future. 未来創発」です。大胆な発想/発名で未来を創造していくことをわかりやすく表現した理念であり、コーポレートステートメントをそのままキャッチコピーにしていることから、同じ想いを抱く若者を求めていることがわかります。

やってみなはれ(サントリーホールディングス株式会社)

サントリーグループの挑戦心を示す言葉として有名なこの言葉は、「私たちの価値観」として企業理念を構成する一つになっています。創業者 鳥井信治郎の口癖が脈々と受け継がれ、挑戦できる環境を仕事に求める学生のハートを掴んでいます。

2)企業の特徴・独自性を訴求する

やりたい仕事が定まっている就職希望者は、業界内の複数企業を同時に検討していることも少なくありません。自社の特徴や独自性を明確に伝えることで、自社の魅力をわかりやすく印象付け、入社希望度の高い企業として熱意を持って入社してもらえる可能性が高まります。

私たちは、ナニモノにも定義できない。(三菱地所株式会社)

総合デベロッパーとして名高い三菱地所ですが、その事業内容やそこに集う社員は多種多様。変わりゆく時代のニーズに応え続けるために、進化を続ける三菱地所の特徴を印象的に表現した言葉になっています。

この国のすべての人へ。(日本郵政グループ)

国営の郵政事業が源流となっている日本郵政グループの最大の強みは、やはりネットワークの広さと網羅性と言えるでしょう。民間企業としての創造性を、そのネットワークに乗せて、日本全国に提供できるという独自性がわかりやすいキャッチコピーです。

3)求める人材像を訴求する

自社にマッチする「求める人材像」をキャッチコピーにして学生に伝えることで、人材像に近い学生が集まりやすく採用の労力を減らすことができます。また、入社後のミスマッチの減少、離職率の増加を回避する効果も期待できます。

アオい情熱を待っている(伊藤忠商事株式会社)

伊藤忠は企業理念に「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」を掲げ、それを実現するための企業行動指針を「ひとりの商人、無数の使命」としています。この理念・指針やサステナビリティ意識の高まる時代背景にかなう人物像として、このキャッチコピーが制作されたものと考えられます。

変化の穂先であれ。(みずほフィナンシャルグループ)

みずほフィナンシャルグループもキャッチコピーで“求める人材像”をアピールしている企業の一つです。2019年度からの5ヵ年経営計画で「次世代金融への転換」を掲げており、変化していくみずほの先頭に立ち、リードしていけるような人物へと成長する人材を求めたキャッチコピーになっています。

4)自社の魅力を伝えながら勧誘する

閲覧者を直接的に勧誘するキャッチコピーとして、第一次世界大戦の米兵募集ポスターの「I want you for U.S. army」はあまりにも有名です。シンプルに力強く勧誘するキャッチコピーは読む人の責任感や自尊心を刺激して、応募への動機づけとなります。より訴求力を高めるために、読んだ人が「自分ごと」として捉えられるようなコピーワークにすることが大切です。

さあ、ともにつくろう。地球史上、類を見ない社会を。(トヨタ自動車株式会社)

経営戦略として、自動車だけでなく社会インフラとなりうる次世代モビリティを開発しているトヨタ自動車。「地球史上、類を見ない社会」を創造するという大義に向けて「さあ、ともに」と誘うことで、社会のためになることを仕事にしたいと思う学生に対して強烈にアピールしています。

ここだから、できる。あなたとだから、できる。(デンソー株式会社)

ブランドステートメントの一文に「新しい“できる”を世界に実現していく」とあることからもわかるように、自動車部品メーカーのデンソーは「できる」を社会に提供することを重視しています。その、「できる」に一貫性を持たせながら、デンソーである必要性と「あなた」である必要性を強調したキャッチコピーになっています。

採用活動において、自社の強みや魅力を正しく理解してもらうためにも、詳しい情報を提供することは重要です。しかし、その入り口として端的な言葉で興味を持ってもらうことも必要になります。その際に、コーポレートブランドから一貫したイメージでキャッチコピーを制作・発信していくことが求められます。
ジェイスリーでは、企業理念や経営戦略などコーポレートブランドの方向性を俯瞰しながら、求める人材に共感される最適な表現を創出することで採用ブランディングを支援します。
採用活動をご検討されている方は、お気軽にご相談ください。

コピーライター・ブランドコンサルタント 安藤 慶太

広告制作会社、ブランディングエージェンシーを経てジェイスリーに入社。コピーライター兼ブランドコンサルタントとして、さまざまなBtoB/BtoC企業やその製品/サービスのブランディング実績を有する。マーケティングリサーチ、コンセプトメイク、ネーミングやスローガンなどのバーバル開発、商品開発、PRツール制作のほか、ブランドマニュアル、CI/VI開発、パッケージデザイン、ブランドムービー制作、ブランドサイト構築等のクリエイティブディレクションまで手掛け、一貫したブランディングを支援する。

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