リブランディングとは?成功へ導く完全ガイド:7つのステップを公開

リブランディングとは?成功へ導く完全ガイド:7つのステップを公開

企業を取り巻くさまざまな環境は日々変化しており、企業は持続的な成長を実現するためにその変化に対応していかなければなりません。そこで必要となるのは、企業ブランドの再構築「リブランディング」です。
もし、市場の陳腐化や競合との差別化の難しさ、あるいは旧来の古い印象によって人材採用の課題や企業イメージの乖離などを感じているならば、今こそリブランディングに着手するタイミングです。
この記事では、リブランディングを成功させるための「戦略的思考」と「具体的な7つの実行ステップ」を網羅的に解説します。

リブランディングとは?その定義と企業成長における意味

リブランディング(Rebranding)とは、企業または商品・サービスが持つ既存のブランドイメージやアイデンティティ、顧客認知について、意図的に再構築する戦略的プロセスです。単に社名ロゴのデザインを新しくすることではありません。リブランディングの本質は、企業が掲げるミッション・ビジョン・バリューといった企業の「核」となる考え方や価値観を、変化している市場(マーケット)や新しいターゲット層(新規見込顧客)に合わせて再定義し、それを顧客が触れるあらゆる接点=タッチポイント(商品・サービス、全てのコミュニケーション)に一貫して反映させることにあります。
リブランディングによって、市場適合性の回復を実現したり、市場でのポジショニングの再構築、組織アイデンティティの統一など、さまざまなメリットを享受することが可能になります。

リブランディングとブランディングとの違い・目的

「ブランディング」と「リブランディング」の違い

この二つの言葉は混同されがちですが、その役割は明確に異なります。

・ブランディング
何もないゼロの状態からブランドの核を創造し、市場に浸透させ、育成を図っていくプロセスを指します。ターゲットの意識に独自のポジションを築いて印象付けることが目的です。

・リブランディング
既存の核を見直し、現代や未来の市場にマッチしたものに再定義・再構築するプロセスを指します。築き上げた資産を活かしつつ、必要に応じて大胆な変更を加えます。

リブランディングは、ブランドの「寿命」を延ばし、持続的な成長を可能にするための戦略的なメンテナンスであり、企業成長のために必要な「投資」と言えます。

リブランディングする3つの主要な目的

企業がリブランディングを実施する目的として、主に以下の3つが挙げられます。

1.”ポジショニング”を変える(戦略の再構築)

ターゲットや市場を見直し、収益構造を変えるためのリブランディングです。
・ターゲット変更: 新しい市場への参入や、顧客層の入れ替えを行う場合。
・差別化: 競合に埋もれないよう、独自の強みやニッチな地位を明確にする場合。

2.”企業体制”を変える(実態との整合性)

会社の中身が大きく変わった際、社内外の認識を一致させるためのリブランディングです。
・統合・合併: M&Aなどで増えたブランドを統一し、効率化や一体感を図る場合。
・第2創業: 経営陣の交代や事業再編に伴い、会社の目指す方向(ビジョン)を刷新する場合。

3.”イメージ”を変える(陳腐化からの脱却)

時代の変化によるズレを解消し、好感度を高めるためのリブランディングです。
・デザインの現代化: 古臭くなったロゴや、定着してしまったネガティブな印象を一新する場合。
・価値観のアップデート: SDGsや社会貢献など、現代社会が求める価値観を取り入れる場合。

リブランディングの核となる「戦略」の構築

戦略の構築は、リブランディングの成否を決める最重要ステップです。

【Step1】:既存ブランドの「健康診断」(ブランド監査)

まず、現在のブランドが「今、市場でどう見られているか」を正確に把握します。これは戦略の土台となるため、極めて慎重に実施すべき重要な調査・分析です。

    ・内部調査(インサイドアウト)
    経営層、全従業員にヒアリングやアンケートを実施し、「うちの会社の強みは何か?」「顧客に提供できている価値は何か?」といった質問を通じて、社内のブランド認知の統一度合いと課題点を洗い出します。

    ・外部調査(アウトサイドイン)
    顧客、見込み客、競合他社を調査します。顧客アンケート、SNSでの自社への言及分析、Webサイトへのアクセス解析、そして競合ブランドのメッセージ分析などを行い、市場における自社ブランドの「立ち位置」を明確にします。このステップで分析した結果は、「現状におけるブランドの強み/弱み」「市場での立ち位置」を客観的に示す羅針盤となります。

【Step2】:達成目標(KGI・KPI)とターゲットの再設定

診断結果に基づき、「リブランディングによって何を達成したいのか」という目標を具体的に設定します。目標が曖昧では、変更の基準や戦略の方向性や定まらず、有効な効果測定もできません。目標設定の具体例には以下のようなものが挙げられます。

    ・ブランド認知度を、現在のX%から1年後にはY%に向上させる。(KGI)
    ・若年層(20代)の顧客比率を、現在のZ%から半年後にはW%に引き上げる。(KPI)
    ・リブランディング後、Webサイトでの「製品ページ閲覧数」を○%改善する。(KPI)

ペルソナ(理想の顧客像)のアップデートも重要な取り組みです。
新しいブランドメッセージを届けたい「理想の顧客像(ペルソナ)」を、古いデータではなく、現在のマーケットニーズに基づいて細かく再設定します。新しいペルソナが持っている価値観、情報収集方法、行動様式などを深く詳細に理解することが必要となります。

企業価値を表現する「言葉」「ビジュアル」「体験」の開発

【Step3】:マインド・アイデンティティ(MI)の再定義

マインド・アイデンティティとは、ブランドの核となる考えや思想を明文化したものです。Step1の分析結果や、Step2で設定した目標やターゲットを踏まえながら、さまざまなかたちの「言葉」で表現します。

    ・パーパス
    企業の存在意義=「社会に対して、私たちはなぜ存在するのか」を改めて考え、明文化します。近年では下記のミッション、ビジョン、バリューとともに策定されることも増えています。

    ・MVV
    ミッション(使命):企業が成し遂げるべき使命を掲げる。
    ビジョン(未来像):企業が目指す長期的な目標、社会に与えたい影響を明確にする。
    バリュー(価値観):全ての従業員が共有すべき行動指針を定める。
    ミッション、ビジョン、バリューを改めて見直す/新たに設けることで、現在勤務している全社員の目線合わせをします。組織全体でめざすイメージを明確にすることで、社員一人ひとりが社外のステークホルダーと接した際、自社らしい印象を与えることも狙います。

    ・ブランドプロミス
    ミッション、ビジョン、バリューが社内での目線合わせのための言葉であることに対し、ブランドプロミスは顧客に対して提供する価値を簡潔に表現する言葉です。

    ・タグライン
    タグライン/スローガンは、ミッション、ビジョン、バリューなど「一言で、誰にでも、記憶に残る形に凝縮したものです。不特定多数に向けて、自社が提供する価値や企業としての姿勢を瞬間的に伝えることを目的としています。

    タグラインは社名ロゴに併記するなどして社外に向けて発信することを想定していることが多く、一方スローガンは社外のみならず、社内に向けて士気を高める「合言葉」のように活用されることもあります。

【Step4】:ビジュアル・アイデンティティ(VI)の設計

ビジュアル要素は、再定義されたアイデンティティを最も早く、視覚的・直感的に強く伝えられるツールです。

    ・デザインコンセプトの確立
    単なる「かっこいい」デザインではなく、前述の【Step3】で定めたアイデンティティを表現するための具体的なコンセプトを設定します。

    ・ロゴ開発
    設定したデザインコンセプトに基づき、さまざまな媒体(Webサイト、名刺、封筒、看板など)で使い勝手が良く、これから先も長年にわたって通用するタイムレスなロゴデザインを目指します。/

    ・カラースキーム
    色彩心理学を取り入れ、ブランドのパーソナリティ(例:信頼性、革新性、親しみやすさなど)を伝えるメインカラーとサブカラーを選定します。色使いについては、背景に使用できる色を規定するなど、使用ルールをマニュアル化(ブランドガイドラインの作成)して明確にしておきましょう(ロゴが目立たなくなる背景色を用いないなど)。

    ・タイポグラフィ(フォント)
    ブランドのトーンに合ったフォント(書体)を選定し、統一して使用することで、文書やWebサイト、各種制作物全体に一貫した印象を与えます。

【Step5】:顧客体験(CX)とコミュニケーション設計

ビジュアルだけでなく、顧客がブランドを「体験」する(カスタマー・エクスペリエンス)あらゆる接点を設計します。

    ・WebサイトやプロダクトUI/UXの改修
    顧客が最も触れるWebサイトやアプリのUI/UXを、新しいVIとトーン&マナーに基づいて改修します。デザインだけでなく、Webサイトの使いやすさ(UX)もブランド体験の重要な一部です。

    ・商品/サービス名称の検討
    リブランディングの動機や目的によっては、長年使用してきた商品やサービスの名称も、新しいターゲットやポジショニングを意識したネーミングに変更することも検討する必要性があります。

社内外への展開とブランドの維持

素晴らしいデザインや戦略も、使われなければ意味がありません。ブランドをいかに「生きもの」にするかがポイントになります。

【Step6】社内浸透(成功の鍵は従業員)

従業員一人ひとりが新しいブランドを理解し、共感し、アンバサダーとならなければいけません。新しいブランドを全従業員が自分の仕事領域で体現することが求められるのです。

    ・トップからのメッセージ
    経営層がリブランディングの必要性や戦略、そして新しいビジョンを、熱意を持って全従業員に伝えます。共感を得られるように直接、わかりやすく伝えることがポイントです。

    ・従業員向けワークショップ
    新しいブランドの価値観、トーン&マナー、行動指針を正しく理解し、「自分の業務でどう体現するか」を考えるための体験型トレーニングを実施します。

    ・ブランドガイドラインの共有
    ロゴの使用規定、カラースキーム、トーン&マナー、写真の使い方などをまとめた詳細なブランドガイドラインを作成し、社内文書、名刺、メール署名など、あらゆる接点(タッチポイント)での利用ルールを徹底します。

【Step7】外部発表(ローンチ)と継続的なコミュニケーション

外部に向けて発表するローンチのタイミングを戦略的に設計します。

    ・発表戦略の計画
    あらゆるチャネルで一斉に発表する「ビッグバン型」か、特定部門や地域から段階的に発表を進める「段階的ローンチ型」か、ブランドの規模や変更度合いなどを考慮して決定します。

    ・顧客への配慮
    最も重要視すべきは既存顧客です。なぜブランド変更を実施したのか、変更が既存顧客にどのようなメリットをもたらすのかなど、感謝の気持ちとともに丁寧に説明し、不安を取り除くためのFAQや専用窓口を用意します。

    ・継続的な発信
    ローンチしたらそれで完了ではありません。それから後が本番です。新しいブランドメッセージを、広告、コンテンツマーケティング(本記事のようなピラーページ)、SNS、IR情報などで一貫して発信し続けます。

リブランディング後は測定と改善でブランドを永続させる

リブランディング自体に完了はありません。新しいブランドをマーケットや社会での認知を拡大し、永続的に育成・成長させることが必要です。対外的なブランドの立ち位置や持たれているイメージなどを常に確認し、ブランドがより良く育ち、末永く続いていくように改善することを、繰り返し行います。

・測定指標(KPI)の確認
【Step2】で定めた目標に基づき、Webトラフィック、売上、顧客単価といった定量的指標だけでなく、「ブランドイメージに関する調査」や「SNSでの言及内容のポジティブ/ネガティブな分析」といった定性的な指標も定期的に測定します。

・フィードバック
顧客や従業員からのフィードバックを収集する仕組みを構築し、ブランドガイドラインやコミュニケーション戦略が市場とズレていないかをチェックし、必要に応じて微調整を加えます。

・ブランドの守り手
ブランドの体現者である従業員が、ブランドを逸脱した行動や表現を行っていないか、継続的に監督します。定期的に従業員に対して研修や教育を行う体制を構築することが、ブランドの価値を永続させるためには不可欠です。

ジェイスリーのリブランディング事例

ジェイスリーでは、さまざまなお客様のリブランディングをご支援しています。自社の事例も含めてご紹介いたします。

UPWARD株式会社
さらなるブランドイメージの構築と向上を図るため、リブランディングを行いました。従来の泥臭い営業イメージから、自分らしく軽やかに仕事をする、新しい時代のスタイリッシュな営業イメージへ転換するため、「Go Smarter」をコンセプトに掲げました。新たなキービジュアルと社外向けのメッセージを制作したほか、セールスツールからオフィスのインテリアまで、一貫したブランドイメージを展開しています。
>詳細はこちら|UPWORDリブランディング事例

株式会社ジェイスリー
2020年5月に2代目の代表取締役社長が就任するにあたり、自社のリブランディングを敢行しました。ポジションの再認識と強み弱みの洗い出しから始め、ミッション・ビジョン・バリューやCI/ロゴマークなどへと落とし込みました。目的からコンセプトの策定やデザイン制作に至るまでのプロジェクトチームの活動など、詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
>自社のリブランディング事例を公開!背景から進め方、得られた知見をお伝えします(前編)
>自社のリブランディング事例を公開!背景から進め方、得られた知見をお伝えします(後編)

貴社のリブランディング、ぜひご相談ください

リブランディングは、単なるデザインの変更や一過性のイベントではないことがご理解いただけたでしょう。市場の変化に対応し、企業の未来に向けた新たな成長エンジンを再構築するための戦略的投資がリブランディングです。成功の鍵となるのは、徹底した現状分析(ブランド監査)に基づき、新しいブランドアイデンティティを定義し、それを全従業員が深く理解し、顧客とのあらゆる接点で一貫して体現し続けることにあります。
リブランディングをご検討でしたら、下記のフォームかお問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

コピーライター・プランナー 津留 靖

販促系広告制作会社でコピーライターとしてキャリアをスタート。BtoB商材を中心にカタログやSPツールの企画制作に従事。その後フリーランスとして独立し、約16年活動。その間、宣伝会議主催のWebライター養成講座の講師も担当。2019年よりジェイスリーに合流し、海運、観光、製造、商社、建設など多岐にわたる業種で、プランニング・コピーライティングおよびディレクション業務に携わり、わかりやすく伝わる文章制作を実践。整形外科分野(特に腰・膝・足首)の知見も持つ。熊本県出身。

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